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顔認証AI・顔認証システム比較【2026年8月版】

更新日: 2026-08-03 | 読了目安: 8分

⚠️ 「顔パス決済」を探している方へ

日本国内で顔認証による支払いが日常的に使える段階には、2026年8月時点でまだ至っていません。 2023年4月に Yahoo! JAPAN が PayPay と連携して 実証実験 を行った事例はありますが、 全国の店舗で使える常設サービスとして提供されているわけではありません。

顔認証決済サービスとして製品名を列挙している解説記事もありますが、実在しない製品名が含まれていることがあります。 本記事では、実際に提供が確認できた法人向けの顔認証システムに絞って比較します。

結論(用途別)

  • 入退室管理・PCログオンで精度を最優先NEC NeoFace
  • 既存の監視カメラ映像から人物を判別したいPanasonic FacePRO
  • 自社サービスに顔認証を組み込みたいCyberLink FaceMe

いずれも法人向けで、価格は個別見積もりです。個人・小規模事業者がすぐ導入できる価格帯の製品ではありません。

機能比較表

機能 NEC NeoFace おすすめ Panasonic FacePRO おすすめ CyberLink FaceMe
料金 要問い合わせ(製品・規模により個別見積もり)要問い合わせ(構成により個別見積もり)要問い合わせ(ライセンス形態により変動)
無料プラン なし(法人向け)なし(法人向け)なし(評価版は要問い合わせ)
日本語対応 ◎ 国内ベンダー◎ 国内ベンダー○ 日本語サイト・国内事例あり
総合評価 4.7 4.5 4.3
マスク着用時の認証
なりすまし防止
入退室管理
PCログオン認証
監視カメラ連携
自社システムへの組み込み

各社が公開している製品情報をもとに2026年8月に整理しました。価格はいずれも個別見積もりのため、金額は記載していません。 本記事は公開情報にもとづく比較であり、編集部が全製品を導入した記録ではありません。

各製品の詳細

★ 編集部おすすめ

NEC NeoFace

顔認証AI・顔認証システム
要問い合わせ(製品・規模により個別見積もり)
4.7

NEC の顔認証AIエンジン。米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンチマークテストで複数回1位を獲得した実績を持ちます。用途別に製品が分かれており、PCへのログオン・ロック解除を顔で行う NeoFace Monitor、入退室管理向けの NeoFace Access Control などが提供されています。マスクを着用したままの認証にも対応しています。

  • NIST ベンチマーク1位の実績
  • マスク着用時の認証
  • PCログオン認証
  • 入退室管理
  • 大規模運用
  • 国内サポート
💡 精度を最優先し、入退室管理やPC認証を全社規模で導入する企業に向いています。

✅ メリット

  • 第三者機関の評価で客観的な精度の裏づけがある
  • 用途別に製品が分かれており選びやすい
  • 国内ベンダーでサポートを受けやすい

⚠️ デメリット

  • 個人・小規模事業者向けの価格帯ではない
  • 導入には個別見積もりが必要
★ 編集部おすすめ

Panasonic FacePRO

顔認証AI・顔認証システム
要問い合わせ(構成により個別見積もり)
4.5

パナソニック コネクトのディープラーニング顔認証システム。左右45度・上下30度といった斜めからの顔向きや、サングラス・マスクで顔の一部が隠れた状態でも判別できる点を特徴として掲げています。監視カメラと組み合わせた現場でのセンシング用途を想定した構成です。

  • 斜めからの顔向きに対応
  • サングラス・マスク着用時の判別
  • ディープラーニング
  • 監視カメラ連携
  • 現場センシング
  • 国内サポート
💡 施設や店舗にすでにカメラがあり、映像から人物を判別したい事業者に向いています。

✅ メリット

  • 正面を向いていない人物にも対応しやすい
  • カメラ設備との組み合わせを前提に設計されている

⚠️ デメリット

  • カメラを含めた設備投資が前提になる
  • 個人利用の想定がない

CyberLink FaceMe

顔認証AI・顔認証システム
要問い合わせ(ライセンス形態により変動)
4.3

顔認証エンジンをソフトウェア部品として他システムへ組み込む形の製品。顔の検出・特徴点抽出・照合・検索に加え、遮蔽物検出やマスク検出に対応します。3Dカメラ、IR+RGBカメラ、2Dカメラそれぞれでのなりすまし防止に対応している点が特徴です。勤怠管理サービスのiPad顔認証打刻に搭載された事例があります。

  • エンジンの組み込み提供
  • なりすまし防止(3D/IR+RGB/2D)
  • マスク検出
  • 遮蔽物検出
  • 顔検索
  • 複数プラットフォーム対応
💡 自社のアプリやサービスに顔認証機能を組み込みたい開発事業者に向いています。

✅ メリット

  • 自社サービスへ顔認証を組み込みやすい
  • なりすまし対策の選択肢が多い
  • 勤怠システムへの搭載事例がある

⚠️ デメリット

  • 単体で完結する製品ではなく開発が前提
  • ライセンス条件の確認が必要

選び方のポイント

1

カタログの精度ではなく設置環境で判断する

顔認証の精度は、カメラの設置角度・照明・逆光・対象人数・マスクや眼鏡の着用状況で大きく変わります。 ベンダー各社が公表する数値は測定条件が異なるため単純比較はできません。客観的な材料としては NIST のベンチマーク結果がありますが、 最終的には実際の設置環境に近い条件でPoC(試験導入)を行って確かめるのが確実です。

2

なりすまし対策の方式を確認する

写真や動画を使ったなりすましへの対策は、使うカメラの種類によって実現方法が変わります。 CyberLink FaceMe は 3Dカメラ、IR+RGBカメラ、2Dカメラそれぞれでのなりすまし防止に対応していると公表しています。 手持ちのカメラ設備で必要な対策が取れるかは、導入前に必ず確認してください。

3

「製品」か「組み込む部品」かを見分ける

同じ顔認証でも、そのまま使える完成品(入退室管理システムなど)と、自社システムに組み込む前提のエンジンでは、必要な作業がまったく違います。 エンジン型を選ぶと開発工数が必要になる一方、自社サービスの中に自然に組み込めます。 導入体制に開発リソースがあるかどうかで、候補は自然に絞り込めます。

4

運用ルールを先に決めてから製品を選ぶ

顔データは登録して終わりではありません。退職者の削除、撮影範囲の掲示、保存期間、委託先の管理まで含めた運用が必要です。 これらのルールを先に決めておくと、必要な機能が明確になり、見積もりの比較もしやすくなります。

顔データと個人情報保護法

顔の骨格や輪郭などの特徴をコンピュータ処理のために変換した符号は、個人情報保護法上の 「個人識別符号」に当たります。個人識別符号を含む情報は、氏名などと結びついていなくても それ単体で個人情報として扱われます

したがって導入にあたっては、利用目的をできる限り具体的に特定して本人に知らせること、 安全管理措置を講じること、委託先を監督することが求められます。 実務上は、次の項目を導入前に決めておくと運用が破綻しにくくなります。

  • どの範囲を撮影し、どこに掲示して知らせるか
  • 顔データの保存期間と、退職・退会時の削除手順
  • 誰がデータにアクセスできるか(権限の設計)
  • クラウド型の場合、データがどこに保存されるか
  • ベンダーへの委託内容と、監督の方法

なお顔データそのものは「要配慮個人情報」には該当しませんが、取り扱いに慎重さが求められる情報であることに変わりはありません。 実際の導入時は、個人情報保護委員会が公開しているガイドラインを確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

よくある質問(FAQ)

顔認証AIのおすすめはどれですか?

用途によって変わります。入退室管理やPCログオンなど社内のセキュリティ用途で精度を最優先するなら、NIST のベンチマークで複数回1位の実績がある NEC NeoFace が有力です。すでに監視カメラがある施設で映像から人物を判別したいなら Panasonic FacePRO、自社のアプリやサービスに顔認証機能を組み込みたいなら CyberLink FaceMe というのが基本的な住み分けです。いずれも法人向けで、価格は個別見積もりになります。

顔認証AIの費用はどれくらいですか?

本記事で扱う3製品はいずれも法人向けで、公開された定額プランがありません。カメラなどの機器構成、認証する人数、設置台数、必要なライセンス形態によって金額が変わるため、各社への問い合わせが前提になります。ネット上には「月額◯円から」といった記述も見られますが、出所の不明な金額を前提に予算を組むのは避け、必ず見積もりを取ってください。

顔認証で支払いができる「顔パス決済」は日本で使えますか?

2026年8月時点では、日常的に広く使える段階には至っていません。2023年4月に Yahoo! JAPAN が PayPay と連携し、Yahoo! Mart 代々木上原店で顔認証支払いの実証実験を実施しています。これは Yahoo! JAPAN ID に顔画像を登録しておき、レジで顔を見せるだけで支払いが完了するというものでした。ただしこれは実証実験であり、全国の店舗で使える常設サービスとして提供されているわけではありません。「顔認証決済サービス」として名前を挙げている解説記事には、実在しない製品名が含まれていることがあるため注意してください。

顔認証データは個人情報保護法上どう扱われますか?

顔の骨格や輪郭などの特徴をコンピュータ処理のために変換した符号は、個人情報保護法上の「個人識別符号」に当たります。個人識別符号を含む情報はそれ単体で個人情報として扱われるため、利用目的の特定・通知や、安全管理措置が必要です。導入にあたっては、撮影・登録する範囲、保存期間、削除の手順、委託先の管理を先に決めておく必要があります。なお顔データそのものは「要配慮個人情報」ではありませんが、取り扱いの慎重さが求められる情報であることに変わりはありません。

顔認証の精度はどう比較すればいいですか?

ベンダー各社が公表する数値は測定条件が異なるため、単純な比較はできません。客観的な比較材料としては、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施している顔認証ベンチマークテストの結果が参照されます。ただし実運用での精度は、カメラの設置角度、照明、逆光の有無、対象人数、マスクや眼鏡の着用状況で大きく変わります。カタログ値ではなく、実際の設置環境に近い条件でのPoC(試験導入)で確かめるのが確実です。

まとめ

法人向けの顔認証は、精度を最優先するなら NEC NeoFace、既存のカメラ映像を活かすなら Panasonic FacePRO、 自社サービスへ組み込むなら CyberLink FaceMe という住み分けになります。いずれも個別見積もりが前提です。

一方で「顔だけで支払いができるサービス」を探している場合、2026年8月時点の日本では実証実験の段階にとどまります。 導入を検討する際は、精度のカタログ値よりも、実際の設置環境でのPoCと、顔データの運用ルールを先に固めることをおすすめします。

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