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AI議事録ツール 法人プラン徹底比較 2026年完全版

AI議事録ツールの「法人プラン」を導入する基準は、個人プランと根本的に違います。社内稟議で問われるのは ①SSO/SAMLでの認証統合・②顧客データを学習に使わない明示・③オンライン+録音の両対応・④日本語精度 の4軸です。本記事は2026年6月時点の主要12社(専業9 + 既存会議基盤3)を、組織規模・利用シーン・セキュリティ要件で整理しました。

公開: 2026-06-21 / 最終更新: 2026-06-22・価格やSSO対応は四半期で改定されます。社内稟議に出す前に各社公式・営業窓口で必ず再確認してください。

結論(規模・要件別の推奨)

  • 10〜100人で日本語会議が中心Notta または Rimo Voice。日本語精度と国内サポート。
  • 対面商談・現場ヒアリングが中心Plaud。IC録音機型で電池一つで完結。
  • オンライン会議(Zoom/Meet)中心の欧米取引tl;dv または Fireflies。CRM連携が強い。
  • 機密性最優先(役員会・M&A)Granola。ローカル処理寄り。
  • コールセンター・自治体・金融など国内データ保持必須YOMEL。オンプレ版あり。
  • 役員会・多人数対面で「誰がどこから話したか」を残したい / 合理的配慮を進めたいVUEVO。360°集音マイクで話者方向特定、23言語のリアルタイム翻訳。
  • M365 / Workspace / Zoom を全社標準にしている → まず Teams Premium / Meet Gemini / Zoom AI Companion を検討。新ベンダー審査が不要。

法人プラン選定の4軸

軸 1

SSO / SAML 対応

情シスの認証統合要件。50席を超えるなら必須。Business以下にはSSOがないSaaSが多いので、Enterprise契約が前提になる場合がある。

軸 2

学習非利用の明示

議事録には機密情報が含まれる。公式ページの宣伝文だけでなく、DPA(データ処理契約)への明文化を求める。

軸 3

録音 + オンライン両対応

対面比率の高い組織はハード型(Plaud)+ SaaS、オンライン中心はBot参加型(tl;dv / Fireflies)。ハイブリッドはNottaが扱いやすい。

軸 4

日本語精度

国産(Notta / Rimo / YOMEL)が日本語固有名詞・敬語に安定。海外SaaSは英語混在会議や海外拠点で強い。

主要12社 法人プラン スペック比較

横スクロールで全列を確認できます。「録音 / オンライン」列は対応の強弱を簡易的に示しています。

ツール 価格目安 SSO/SAML 学習非利用 日本語 録音 / オンライン 監査ログ
Notta Business 月額 約$13.99/seat〜(年払)・Enterprise は51席〜カスタム Enterpriseで SAML SSO・監査ログ・IP制限 顧客データを学習に使用しない方針を公式で明記 104言語 専用録音アプリ・モバイルアプリで対応 / Zoom / Meet / Teams 対応 Enterpriseで監査ログ・ロール管理
Plaud(Note / NotePro + Team Plan) Team Plan 年払 $20/seat/月〜(2026夏のローンチ価格。本体機器は別途$159〜) 個人〜小規模向けが中心。大規模SSO要件は要相談 個別のオプトアウト/学習除外を選べる方針 主要言語 専用デバイスで対面録音に強い / オフライン録音中心・オンライン会議連携は限定的 Team管理者によるユーザー管理・録音データ集中管理
tl;dv Business プラン 約$59/月〜・Enterprise はカスタム Enterpriseで SSO / SCIM / 監査ログ・専用ホスティング 設定で学習対象から除外可能 40言語以上 主にオンライン録画。対面録音は弱い / Zoom / Meet / Teams 全対応 Enterpriseでorg-wide監査ログ
Otter Business / Enterprise Business 年払 $19.99/seat/月・Enterprise はカスタム Enterpriseで SAML SSO・SCIM・Domain Capture オプトアウト可・Enterpriseはより強い管理 英語中心(西/仏も対応) モバイル/ブラウザで録音 / Zoom / Meet / Teams 対応 Enterpriseで管理コンソール・SOC 2/GDPR/EU AI Act準拠を公表
Fireflies AI Business / Enterprise Business 年払 $19/seat/月・Enterprise 年払 $39/seat/月 Enterpriseで SSO / SCIM / 監査ログ・HIPAA プライバシー設定で学習除外可 60言語以上 Bot参加型録音 / Zoom / Meet / Teams / Webex Enterpriseで監査ログ・データ保持ポリシー・ルールエンジン
Granola Business / Enterprise Business $14/seat/月〜・Enterprise $35/seat/月〜 Enterpriseで SSO(Okta/Google Workspace) Enterpriseで組織単位の学習オプトアウトを既定化 主要言語 端末側で音声取得 / デスクトップ常駐型 利用分析・組織単位の共有制御
Rimo Voice(国産) 個人 月額1,500円〜・法人 Pro 月額3,300円〜(年払時)・Enterprise は11ID〜要見積 Enterpriseで SSO・IP制限・利用ログ 公式で学習非利用を明記 日本語特化 Web/モバイルから録音可 / オンライン会議連携・URL共有 Enterpriseで利用ログ・請求書払い対応
VUEVO(ビューボ・国産/ピクシーダストテクノロジーズ) 初期費用+専用端末 約155,000円・月額 約30,000円/台(公式情報。最新値は要問合せ) 公式情報なし・SSO/SAML要件は要問合せ 公式に「会話音声をデータベースに保存・2次利用しない」と明記 23言語以上のリアルタイム翻訳に対応 8マイク内蔵の専用ワイヤレスマイクで360°集音・話者方向を特定 / 対面会議が中心。オンライン会議連携は要問合せ 法人専用販売・管理者ロールあり(詳細は要問合せ)
YOMEL by PKSHA(国産) 法人 月額28,000円〜(ID追加 約1,000円/ID)・オンプレ版もあり 法人プランで管理機能・オンプレ対応で社内認証統合可 公式で学習非利用・国内処理を明記 日本語中心 Web/PCアプリで録音 / オンライン会議・対面の双方に対応 オンプレ版で社内ネットワーク完結。利用ログ
Microsoft Teams Premium(Intelligent Recap) $10/user/月のTeams Premium追加(または Microsoft 365 Copilotライセンス) Entra ID(旧Azure AD)でSSO・条件付きアクセス・監査 Microsoftはテナントデータをモデル学習に利用しない方針を公表 多言語(日本語の要約・章立て対応) Teams録画と統合 / Teams会議で利用 Purviewで監査・コンプライアンス
Zoom AI Companion 対象Zoom Workplaceプランに含まれる(追加料金なしで提供されるプランあり) Zoom側のSAML SSO・管理者ポリシーで制御 顧客の通信類コンテンツをモデル学習に使用しないとZoomが公式に明記 多言語対応 Zoom録画と統合 / Zoom会議で利用 管理コンソールで利用制御・監査
Google Meet(Gemini の Take Notes for Me) Business Standard $14/user/月〜(Geminiは追加課金なしで同梱) Google Workspace側のSSO・条件付きアクセス・監査 Workspaceの顧客データをモデル学習に使用しない方針を公表 多言語(日本語含む) Meet録画と統合 / Google Meet会議で利用 Admin Consoleで監査・ポリシー制御

※ 2026-06時点の各社公式公開情報。価格は年払・税抜・米ドル建ての場合が多いため、最終見積は各社営業窓口でご確認ください。

法人選定フロー(YES/NOで進める)

Q1. 既にTeams / Zoom / Meet を全社標準にしているか?
Q2. 対面会議の比率は?
  • 対面50%超Plaud(IC録音機)+ オンライン用に1ツール。
  • ハイブリッドNotta(録音+オンライン両対応)。
  • オンライン主体:Q3へ。
Q3. 主言語は?
Q4. SSO / 監査ログは必須か?
  • 必須(50席超 or 上場企業):各社の Enterprise プラン一択。Business以下はSSOがない場合が多い。
  • 当面不要:Business プランで開始 → 拡張時にEnterpriseへ移行する設計に。
Q5. 機密会議(役員会・M&A・人事)が含まれるか?
  • 含まれるGranola Enterprise(ローカル処理寄り・組織単位の学習オプトアウト既定化)を機密会議用に分離。
  • 含まれない:上の選定で確定。

専業ツール 個別解説(8社)

議事録AIを主軸事業にしている専業ベンダー。SSO・CRM・国産対応の幅で選び分けます。

専業(国産)

Notta

国産・日本語精度を重視するチーム向け

価格
Business 月額 約$13.99/seat〜(年払)・Enterprise は51席〜カスタム
SSO/SAML
Enterpriseで SAML SSO・監査ログ・IP制限
学習非利用
顧客データを学習に使用しない方針を公式で明記
対応言語
104言語
録音
専用録音アプリ・モバイルアプリで対応
オンライン会議
Zoom / Meet / Teams 対応
強み

日本語の固有名詞・敬語の認識が比較的安定。国内サポート窓口がある

注意点

英語圏SaaSと比較するとCRM連携の幅は控えめ

向く組織: 日本語会議が中心の10〜500人組織。SSOまで必要なら51席以上のEnterprise検討

専業(ハード+SaaS)

Plaud(Note / NotePro + Team Plan)

IC録音機+AIで対面・現場の議事録を一気通貫

価格
Team Plan 年払 $20/seat/月〜(2026夏のローンチ価格。本体機器は別途$159〜)
SSO/SAML
個人〜小規模向けが中心。大規模SSO要件は要相談
学習非利用
個別のオプトアウト/学習除外を選べる方針
対応言語
主要言語
録音
専用デバイスで対面録音に強い
オンライン会議
オフライン録音中心・オンライン会議連携は限定的
強み

対面商談・現場ヒアリング・出張先で電池一つで完結する

注意点

オンライン会議の自動取込はクラウド系専業に劣る。SSO/監査機能は限定的

向く組織: 対面比率が高い営業・現場・調査チーム。オンラインのみの組織には不向き

専業(オンライン会議特化)

tl;dv

Zoom/Meet/Teams録画+話者分離+CRM連携

価格
Business プラン 約$59/月〜・Enterprise はカスタム
SSO/SAML
Enterpriseで SSO / SCIM / 監査ログ・専用ホスティング
学習非利用
設定で学習対象から除外可能
対応言語
40言語以上
録音
主にオンライン録画。対面録音は弱い
オンライン会議
Zoom / Meet / Teams 全対応
強み

営業会議の議事録化+セールスインテリジェンス機能。CRM連携

注意点

日本語精度はNottaに比べると控えめ。Business以下ではSSOなし

向く組織: 欧米取引が多いセールス組織。Zoom/Meet比率が高いチーム

専業(英語特化)

Otter Business / Enterprise

英語環境の老舗・リアルタイム文字起こし

価格
Business 年払 $19.99/seat/月・Enterprise はカスタム
SSO/SAML
Enterpriseで SAML SSO・SCIM・Domain Capture
学習非利用
オプトアウト可・Enterpriseはより強い管理
対応言語
英語中心(西/仏も対応)
録音
モバイル/ブラウザで録音
オンライン会議
Zoom / Meet / Teams 対応
強み

英語の認識精度・長時間文字起こしの安定性。HIPAAアドオン可

注意点

日本語UI/精度は限定的。海外拠点向けの選択肢

向く組織: 英語環境の海外拠点・国際チームと併用したい組織

専業(CRM/検索特化)

Fireflies AI Business / Enterprise

CRM連携と全文検索・コンバセーションインテリジェンス

価格
Business 年払 $19/seat/月・Enterprise 年払 $39/seat/月
SSO/SAML
Enterpriseで SSO / SCIM / 監査ログ・HIPAA
学習非利用
プライバシー設定で学習除外可
対応言語
60言語以上
録音
Bot参加型録音
オンライン会議
Zoom / Meet / Teams / Webex
強み

Salesforce/HubSpot双方向同期。検索とトピック解析が強い

注意点

日本語精度・UI日本語化はやや限定的

向く組織: 営業会議をCRMに残し、検索したい組織。海外取引が混ざるチーム

専業(ローカル動作)

Granola Business / Enterprise

ローカル処理寄り・最小限のUIでメモ重視

価格
Business $14/seat/月〜・Enterprise $35/seat/月〜
SSO/SAML
Enterpriseで SSO(Okta/Google Workspace)
学習非利用
Enterpriseで組織単位の学習オプトアウトを既定化
対応言語
主要言語
録音
端末側で音声取得
オンライン会議
デスクトップ常駐型
強み

M&A・取締役会など機密会議に向くプライバシー寄り設計

注意点

日本語UIは未成熟。エンタープライズ統合は発展途上

向く組織: 機密性最優先・少数精鋭組織。役員会議・人事会議の議事メモ

専業(国産)

Rimo Voice(国産)

日本語専業・自治体/金融などにも導入実績

価格
個人 月額1,500円〜・法人 Pro 月額3,300円〜(年払時)・Enterprise は11ID〜要見積
SSO/SAML
Enterpriseで SSO・IP制限・利用ログ
学習非利用
公式で学習非利用を明記
対応言語
日本語特化
録音
Web/モバイルから録音可
オンライン会議
オンライン会議連携・URL共有
強み

日本語ハイコンテキスト会話の認識・要約。国内サポート

注意点

海外拠点・多言語ニーズには不向き

向く組織: 日本語のみで完結する自治体・金融・医療など機密性重視の組織

専業(国産・対面ハード+SaaS)

VUEVO(ビューボ・国産/ピクシーダストテクノロジーズ)

専用マイクで「誰がどこから話したか」を可視化。アクセシビリティ起点の対面会議AI

価格
初期費用+専用端末 約155,000円・月額 約30,000円/台(公式情報。最新値は要問合せ)
SSO/SAML
公式情報なし・SSO/SAML要件は要問合せ
学習非利用
公式に「会話音声をデータベースに保存・2次利用しない」と明記
対応言語
23言語以上のリアルタイム翻訳に対応
録音
8マイク内蔵の専用ワイヤレスマイクで360°集音・話者方向を特定
オンライン会議
対面会議が中心。オンライン会議連携は要問合せ
強み

同時発話の分離精度。話者方向の可視化は他社にない独自軸。聴覚障がい者の社内会議参加支援にも使える

注意点

対面前提・SSOやオンライン会議連携の公開情報が薄く、稟議には個別ヒアリングが必須。端末コストは高め

向く組織: 対面会議が中心・話者特定が重要な役員会議や複数言語ミーティング・障がい者雇用での合理的配慮を進める組織

専業(国産)

YOMEL by PKSHA(国産)

PKSHA運営・コールセンター/対面に強い国産

価格
法人 月額28,000円〜(ID追加 約1,000円/ID)・オンプレ版もあり
SSO/SAML
法人プランで管理機能・オンプレ対応で社内認証統合可
学習非利用
公式で学習非利用・国内処理を明記
対応言語
日本語中心
録音
Web/PCアプリで録音
オンライン会議
オンライン会議・対面の双方に対応
強み

コールセンター用途・対面会議の話者識別・国内データ保管

注意点

価格は席数連動でなく月額制のため小規模だと割高

向く組織: コールセンター・自治体・金融など、国内データ保持が必須の組織

既存会議プラットフォーム活用(3社)

先に検討すべき選択肢 既にTeams / Zoom / Workspaceを契約しているなら、まず既存ライセンスに含まれる議事録AIを試すのが最速です。ベンダーリスク評価(VRA)も追加で必要なく、SSO・データ境界・監査ログは既存のIT統制にそのまま乗ります。専業ツールに移るのは「既存機能で不足が明確になってから」が稟議が通りやすい順序です。
既存会議基盤の追加機能

Microsoft Teams Premium(Intelligent Recap)

Teamsを既に使う組織の議事録機能(Copilotでも可)

価格
$10/user/月のTeams Premium追加(または Microsoft 365 Copilotライセンス)
SSO/SAML
Entra ID(旧Azure AD)でSSO・条件付きアクセス・監査
学習非利用
Microsoftはテナントデータをモデル学習に利用しない方針を公表
対応言語
多言語(日本語の要約・章立て対応)
監査
Purviewで監査・コンプライアンス
録音
Teams録画と統合
強み

IT統制・SSO・データ境界が既存のM365統制に乗る。新ベンダー審査が不要

注意点

Teams会議に閉じる。対面・他会議基盤には別ツール必要

向く組織: M365を既に契約し、ベンダー追加を避けたい大企業

既存会議基盤の追加機能

Zoom AI Companion

Zoom Workplaceに同梱(対象プラン)の議事録AI

価格
対象Zoom Workplaceプランに含まれる(追加料金なしで提供されるプランあり)
SSO/SAML
Zoom側のSAML SSO・管理者ポリシーで制御
学習非利用
顧客の通信類コンテンツをモデル学習に使用しないとZoomが公式に明記
対応言語
多言語対応
監査
管理コンソールで利用制御・監査
録音
Zoom録画と統合
強み

追加コストなしで使える。AI Companion 3.0でアジェンティック機能拡張

注意点

Zoom会議に閉じる。日本語の議事録精度は会議の音声品質に依存

向く組織: Zoomを全社標準にしている組織。まず追加コストなしで試したい場合

既存会議基盤の追加機能

Google Meet(Gemini の Take Notes for Me)

Workspaceに同梱(Business Standard以上)の議事録AI

価格
Business Standard $14/user/月〜(Geminiは追加課金なしで同梱)
SSO/SAML
Google Workspace側のSSO・条件付きアクセス・監査
学習非利用
Workspaceの顧客データをモデル学習に使用しない方針を公表
対応言語
多言語(日本語含む)
監査
Admin Consoleで監査・ポリシー制御
録音
Meet録画と統合
強み

別ベンダー審査不要。会議冒頭にボタン一つで起動・Driveに保存

注意点

Meet会議に閉じる。自動起動は組織側で別途設定が必要

向く組織: Workspaceが標準で、まず追加コストなしで議事録AIを使いたい組織

セキュリティ深掘り:稟議で必ず聞かれる8項目

情シス・法務・コンプライアンス部署に提出する稟議資料で、最低限カバーしたい項目です。

1. 第三者認証(SOC 2 / ISO 27001 / ISMS)

海外SaaSはSOC 2 Type IIが主流(Otter / Fireflies / tl;dv / Granola)。国内基準としてはISMS(ISO 27001)。Notta・Rimo・YOMELは国内認証を持つ。認証の取得年月日・スコープを公式SecurityページかTrust Centerで確認する。

2. データ保存リージョン

国内データ保持が必須の場合(金融・自治体・医療)はYOMEL(オンプレ可)・Rimoが候補。海外SaaSは原則USまたはEU。Enterpriseで日本リージョン選択ができる場合もあるので営業窓口に確認。

3. 学習非利用の文面の出典

公式マーケティングページではなく、DPA(データ処理契約)または利用規約の該当条項を引用する。Zoom AI Companionは「通信類の顧客コンテンツをモデル学習に使用しない」とZoom公式が明記。Microsoftはテナントデータをモデル学習に利用しない方針。Google Workspaceも同様の方針を公表。

4. 退会時のデータ削除手順とSLA

「契約終了後N日以内に全データ削除・削除証跡を発行」と明記してもらう。Enterpriseプランほどカスタム条項に対応する傾向。

5. 録音通知(個人情報保護法・電気通信事業法・通信の秘密)

Bot参加型ツールは「第三者録音」の解釈を避けるため、招待状・冒頭アナウンスで明示する運用をSOP化する。社外参加者には事前同意取得を組み込む。

6. サブプロセッサ(再委託先)一覧

議事録ツールは内部で複数のクラウド(AWS / GCP / Azure)や音声認識API(OpenAI / Deepgram等)を使う。サブプロセッサ一覧の開示と変更通知の有無を確認。

7. インシデント通知期間

個人情報保護法は漏えい等を「概ね3〜5日以内に速報・30〜60日以内に確報」と定める。SaaS契約に「24〜72時間以内に顧客通知」の条項を求める。

8. GDPR・個人情報保護法・米CCPAへの対応

海外拠点や海外顧客がいるならGDPR対応(DPA・SCC・データ主体請求への対応)を要確認。国内のみなら個人情報保護法の越境移転規制(法28条)への対応を確認。

導入Q&A 10問(社内稟議の想定問答)

ベンダーリスク評価(VRA)で必ず確認すべき項目は?

①SOC 2 Type II / ISO 27001 等の第三者認証の取得有無、②学習非利用の契約上の明文化(DPA含む)、③データ保存リージョン、④退会時のデータ削除手順とSLA、⑤サブプロセッサ一覧の開示、⑥インシデント通知期間。最低限この6点はSecurityページかDPAで突き合わせる。

退会時、過去の議事録データはどう扱われる?

各社とも「契約終了後にエクスポート期間を経て削除」が主流だが、保持期間・削除証跡の発行有無は差がある。Enterpriseプランほど削除証跡や保持ポリシーのカスタムが可能な傾向。事前にDPAで明文化を求める。

会議参加者への録音同意の法的根拠は?

日本では当事者録音であれば原則同意は不要だが、議事録ツールが「Botとして会議に参加する」場合は第三者録音とみなされる解釈があり得る。社内ルールで「冒頭に録音通知を読み上げる」「招待状に明記する」運用を整える方が安全。社外向けには契約書にも明記する。

顧客から「録音禁止」と言われた場合の運用は?

①ツール側の自動参加(Bot参加)をオフにする設定、②社内ルールで例外フラグを立てる、③手書きメモ運用へ切り替える、の3点をSOP化しておく。Granolaなどローカル処理寄りのツールは「録音せず話者の声からテキスト生成」設定を持つ場合があり、選択肢になる。

退職者が作成した議事録は、退職後どう扱う?

Enterpriseプランでは「ワークスペース所有」の概念があり、ユーザー退会時にデータを組織側に保持できる設計が一般的。Free/Proプランは個人所有のままになる場合があるため、法人運用はBusiness以上が必須。

海外拠点で英語・中国語・日本語が混在する場合は?

Notta(104言語)・Fireflies(60言語)・tl;dv(40言語)が多言語に強い。一方、日本語の固有名詞精度は国産(Notta・Rimo・YOMEL)が安定する傾向。拠点ごとにツールを分けるか、混在会議は主力1ツール+手動補正が現実解。

社内教育コスト・PoC期間の目安は?

専業SaaSは平均30〜60分のオンボーディングで使える。PoCは2週間〜1ヶ月で「議事録の修正工数が何分減ったか」を主要KPIに。情シスの認証統合(SSO設定)には別途1〜2週間見ておく。

既存議事録(Word/Notion等)の移行は必要?

過去議事録の検索性を上げたいなら、Fireflies/Otter等のEnterpriseで一括インポートAPIを使える場合がある。多くの組織は「過去は触らず、新規分から運用切替」が現実解。

SLA(稼働率保証)はどのプランから付く?

一般にEnterpriseプランから明示SLA(稼働率99.9%等)が提示される。Business以下は「ベストエフォート」が多い。重要会議のリアルタイム文字起こし用途では、必ずSLA条項を確認する。

社内稟議で「価格×席数」以外に説明すべき項目は?

①議事録作成にかかる年間工数の削減見積(時給×時間×人数)、②セキュリティ要件適合(VRA結果)、③退会時のデータ取り扱い、④競合2社との比較表、⑤PoC結果(修正工数の実測)。価格だけの提案は通りにくい。

用語集

SSO(シングルサインオン)
一度の認証で複数SaaSにログインできる仕組み。情シスがアカウント管理を一元化できる。
SAML
SSOで広く使われる認証プロトコル。IdP(Okta/Entra ID/Google等)とSaaSを連携するXMLベース規格。
SCIM
ユーザーアカウントを自動作成・無効化するプロビジョニング規格。退職者の即時遮断に必須。
DPA(データ処理契約)
個人情報保護法・GDPR等で求められる、ベンダーとの間で締結するデータ処理条件の契約書。
SOC 2 Type II
米AICPAの内部統制監査。情報セキュリティの第三者認証として国内大手の調達でも参照される。
ISO 27001
情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格。日本企業の調達基準として広く参照される。
学習非利用(オプトアウト)
顧客の入力データをモデルの追加学習に使わせない設定/契約条項。議事録には機密が含まれるため必須確認項目。
リージョン
データが物理的に保管される地域。個人情報の越境移転が論点となる場合は要確認。
監査ログ
誰が、いつ、どの議事録にアクセス・編集したかの記録。インシデント対応・内部統制に必要。
PR

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